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- 2025.11.09
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ポテト(じゃがいも)の2型糖尿病発症リスク

先日、ポテト(じゃがいも)に関する興味深い論文を見つけました。この論文は、ポテトの摂取量や調理法によって、2型糖尿病の発症リスクがどのように変わるかを調べたものです。これまで多くの観察研究で、ポテトの摂取は2型糖尿病の発症リスクを高めると報告されてきました。ポテトはGlycemic Index(GI:血糖値の上がりやすさの指標)が高い食品であり、食べると血糖値が上がりやすいことが知られています。
今回の研究では、ポテトを食べる「量」だけでなく、「調理方法」(フライドポテト、ゆで・焼き・マッシュポテトなど)が2型糖尿病の発症にどのように影響するか、さらにポテトを他の炭水化物食品(全粒穀物・白米など)に置き換えた場合の影響も評価しています。対象は米国の3つの大規模コホート研究で、合計205,107人(糖尿病・心血管疾患・がんの既往なし)を含み、延べ5,175,501人年の追跡が行われました。その結果、22,299人が新たに2型糖尿病を発症しました。
結果として、
- ポテトの摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが上昇し、週3回分多く食べるごとにリスクが約5%増加しました。
- フライドポテト(フレンチフライ)では、週3回分多く食べるごとにリスクが約20%増加し、明確に2型糖尿病リスク上昇と関連しました。
一方で、「ゆで・焼き・マッシュポテト」や「ポテトチップ」の摂取は、2型糖尿病発症との関連が低いことが示されました。
また、ポテトを「全粒穀物」に置き換えると、「総ポテト」で8%リスク低下、「ゆで・焼き・マッシュポテト」で4%低下、「フライドポテト」では19%低下と推定されました。 逆に、「ポテト」を「白米」に置き換えると、かえってリスクが上昇しました。
この研究は、「フライドポテトの摂取が2型糖尿病発症リスクを高める」という結論でしたが、私にはやや意外に感じられました。というのも、以前「Nature」という一流科学誌に掲載された、ポテトチップの脳への影響を調べた研究では、「ポテトチップの脂肪/炭水化物比率」がラットに最も好まれ、摂食量を増加させたという結果が報告されていたからです。
もっとも、考えてみると、ポテトチップはおやつとして食べることが多いのに対し、フライドポテトは食事の一部として食べられることが多いため、「食べる状況」自体が異なるのかもしれませんね。
参考文献
1)Seyed Mohammad Mousavi, et al. Total and specific potato intake and risk of type 2 diabetes: results from three US cohort studies and a substitution meta-analysis of prospective cohorts. BMJ 2025;390:e082121 (https://www.bmj.com/content/390/bmj-2024-082121)
2)Tobias Hoch, et al. Fat/carbohydrate ratio but not energy density determines snack food intake and ctivates brain reward areas. Scientific Reports | 5:10041 | DOI: 10.1038/srep10041 (https://www.nature.com/articles/srep10041)
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