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- 2025.09.07
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超加工食品の健康リスク

「超加工食品(Ultra-Processed Foods:UPFs)」とは、ブラジルの栄養研究者カルロス・モンテイロが提唱した概念で、食品の加工の程度、範囲、および目的に基づいて分類される食品群を指します。超加工食品は、家庭ではあまり使われないような成分(高果糖コーンシロップ、水素添加油、着色料、乳化剤などの添加物)が加えられ、高度な物理的・化学的加工を経て作られます。具体例として、冷凍ピザ、チキンナゲット、量産されたパン、スナック菓子、ソーダ、加工肉(ハム、ソーセージ)などがあります。最近加工食品の健康リスクが問題となっています。
- 肥満や慢性疾患: 肥満、心血管疾患、2型糖尿病、がん、喘息、うつ病、不安などのリスク増大と関連しています。
- がんリスク: フランスの大規模コホート研究では、超加工食品の摂取割合が10%増加するごとに、全体のがんリスクが12%、乳がんリスクが11%有意に増加することが示されました。この関連は栄養の質を調整しても残るため、単なる栄養素の偏りだけではない可能性が示唆されています。
- 心血管疾患(CVD)リスク: 加工肉、未加工赤肉、鶏肉の摂取量が多いほど心血管疾患のリスクがわずかに増加することが報告されています。特に加工肉を週150g以上摂取すると、心血管イベントや全死因死亡のリスクが高まるというデータもあります。
- 生物学的老化: 超加工食品を1日に3品以上食べる人は、そうでない人に比べて、細胞レベルでの老化の指標である「テロメア」が短くなる確率が2倍になることが示されています。
全死因死亡リスク: 超加工食品の摂取量が多いほど、全死因死亡リスクが増加する可能性も指摘されています。例えば、1日4サービング以上の摂取で死亡のハザードが62%増加するという報告もあります。
加工食品の健康リスクについての研究はまだ途上と言えます。今後さらなる研究が必要ですが、当面超加工食品をなるべく減らすようにしたほうが良いと考えます。
参考文献
Nature | Vol 645 | 4 September 2025、22-25(https://www.nature.com/articles/d41586-025-02750-0)
Am J Clin Nutr 2021;114:1049–1058.(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0002916522004282?via%3Dihub)
JAMA Intern Med. doi:10.1001/jamainternmed.2019.6969(https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2759737)
BMJ 2018;360:k322(https://www.bmj.com/content/360/bmj.k322)
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