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健康食品・サプリメント情報の殆どは広告です 

 小林製薬の紅麹サプリで死者、健康障害者が出て問題となりました。紅麹に含まれる成分ロバスタチンがコレステロールを下げるとされ、そのため機能表示食品として販売されていました。(ロバスタチンは医薬品のロスバスタチンとは全く異なるものですのでご注意ください。)今回の問題はロバスタチンではなく、製造過程で青カビが混入し、それが作り出したプベルル酸がファンコニ症候群という腎臓疾患を起こしたものと推定されていますが、まだはっきりした原因はわかっていないようです。健康食品やサプリメントには根本的な問題があり、今後も同様の問題が起こる可能性があります。この問題に関しては、私が医学監修として関わった左巻健男「病気になるサプリ」(幻冬舎新書)に詳しいのでお読みいただければと思います。
 皆さんのサプリメント摂取の判断材料は何でしょうか?テレビCM、雑誌、ネット、SNSなどではないでしょうか?これらはほとんど広告です。広告情報では、その商品の良い面が誇張され、都合の悪い部分は隠されます。サプリメントは食品に分類されます。一般的な食品であれば味や見た目で判断できますが、サプリメントではその効果をすぐに実感することができません。ですから、摂取する前に科学的な情報を集め、判断する必要があるのです。以下の情報が参考になります。
参考となる書籍:畝山智香子著「健康食品のことがよくわかる本」(日本評論社)
機能性食品について:消費者庁の機能性表示食品の届出情報検索(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/)。ただし、この情報だけでは極めてわかりにくく、不十分だと思います。
成分に関して:国立健康・栄養研究所の素材情報データベース(https://www.nibiohn.go.jp/eiken/info/hf2.html
 今回「脂肪や糖質の吸収を抑える」と表示できる機能性食品の成分難消化デキストリンについて調べてみました。論文では「体重を減らす」「糖尿病を改善する」との結果は出ていません。研究対象者の殆どは健康成人でわずかに境界型の人が含まれているだけです。研究結果は、「血中の中性脂肪値を少しばかり減らした」「食後血糖値をやや下げた」に過ぎません。しかも効果を得るためには、食事のたびにそれを摂取しなければなりません。その商品はコストに見合うものでしょうか?

追記:2015年神戸で私が講演した記録がYouTubeに掲載されています。「危ない健康情報を見分けるコツ ニセ科学に騙されないで!!」(https://www.youtube.com/watch?v=y6C9Vs63R9I)参考にしてください。