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- 2024.02.15
- CATEGORY先生のへや
インターネット上の医療情報の手引
前回紹介した日本インターネット医療評議会の「インターネット上の医療情報の手引」の6つのポイントを紹介します。この手引を作成したときに比べ、今はSNSや生成AIなどが利用されるようになり、ネット上の情報源も多様化してきました。今回私なりに解説しましたが、オリジナルのものはサイトを御覧ください。
1 情報提供の主体が明確なサイトの情報を利用する
2 営利性のない情報を利用する
3 客観的な裏付けがある科学的な情報を利用する
4 公共の医療機関、公的研究機関により提供される医療情報を主に利用する
5 常に新しい情報を利用する
6 複数の情報源を比較検討する
ネット上には団体名しか出ておらず、その責任者が不明な場合もあります。この場合そのままサイトの内容を信用せず、他の情報も入れて再評価する必要があります。ネット上には健康食品を販売したり、医療サービスを提供するため、宣伝目的のサイトも数多くあります。営利を目的とする場合、その発信者にとって都合の良い情報ばかりが掲載され、都合の悪い情報が隠されている可能性があります。特に「〇〇で△△が治る!」「〇〇の原因は△△だ」などの断定的な書き方をされていれば、まず疑ってかかるべきです。X(ツイッター)やYouTubeなどのSNSでは、正確な情報が提供される一方、発信者の思い込みや宣伝目的の内容が拡散されている場合もあります。閲覧数を稼ぐため、あえて人と異なる意見を紹介し、注目を集めようとする人たちもいます。これらの情報の多くは、客観性を欠き、必ずしも科学的な内容となっていません。たとえ医師のような専門家であっても、一般的な医学と異なる意見を述べている方も散見されます。まずは公共の医療機関、公的研究機関より提供されている情報を調べ、整合性があるかどうかを確認することが重要です。また、医療・健康情報は日々更新されます。その情報がいつ掲載されたのか確認し最新の情報に当たるようにしてください。複数の情報源にあたり、その内容を比較し、どの情報が最も最新で正確なのか判断してください。迷ったら信頼ある専門家に相談することも考えましょう。
次回は、ChatGPTなどの生成AIで医療・健康情報を調べることの問題点について述べたいと思います。
参考資料
日本インターネット医療評議会 医療情報利用の手引(https://jima.or.jp/riyoutebiki.html)