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当クリニック設立時のコンセプト

当クリックを開業したのが2000年です。

クリニックを父から受け継ぎ、建て直すに当たり、2つのコンセプトを設定しました。
①五感で癒やす②情報開示の2つです。
 多くの人にとって医療機関に行くことはあまり気持ちの良いものではありません。そこで、なるべくストレスなくクリニックに受診できるように、五感で心地よく感じる建物を目指しました。クリニックで使われる木材に合材は使わず、無垢のものにして、木の香り、肌触りを感じるようにしました。手すりはあえて六角形にして、つかんだときに滑りにくくしました。天井は群馬県産の節のない杉板を使い、それぞれの板の幅が異なるよう作ってあります。柱の角も丸くしています。待合室の壁は吸湿性の良い漆喰です。以前待合室の前には窓があり、座ると中庭を見ることができました。今では栄養相談室になってしまいましたが。かつて、クリニックにてBGMを流したこともありますし、入り口にはお茶を飲める給湯器を設置していました。残念ながらこれは新型コロナ蔓延に伴い撤去してしまいました。20年以上経過し、五感で癒やすクリニックは徐々に変わってきています。


 私が勤務医として糖尿病診療にあたっているとき、多くの患者さんが様々な医療機器、健康食品、健康情報に惑わされていると感じました。そこで1990年代後半に「健康情報の読み方」と題したHPを開設し、誤った健康情報の見分け方を解説しました。その内容は「危ない健康食品&民間療法の見分け方」(フットワーク出版、2000年)にまとめられました。残念ながらこのHPはインターネットプロバイダの消失に伴い、閉鎖されてしまいました。

クリニック開設時も、いかに患者さんにわかりやすく正確に医療情報が伝えられるか?を考え、クリニックを設計しました。その一例が診察室です。当クリニックの診察室は、医師の右前に患者さんが座るように設定されています。診察室の机は患者さんの前が広くなるように作られています。それまで多くの医療機関では患者さんは医師の左側に座ることが通例でした。その理由の一つは患者さん側から医師の手元にあるカルテが見えないようにすることです。当時カルテは患者さんに見せないものという考え方がありました。私は患者さんもカルテを覗き込むことができるように、そして診療内容を紙に書いて説明しやすいように、今のような配置にしたのです。座る位置関係にしても、真横や正面に座るより、斜め前に座ったほうが、圧迫感が少なく、お互いに話しやすくなります。診察室の作りはこのような情報開示の考え方に基づいて設計されました。今では電子カルテとなってしまいましたが、それでも患者さんの前にモニターを設置し、病気の説明やレントゲンの画像が見やすいようにしています。


 今後の当クリックの診療理念として、私は以下の言葉を上げることとしました。EBM(Evidence Based Medicine、科学的根拠に基づいた医療)、NBM(Narrative Based Medicine、物語に基づいた医療)、SDM(Shared Decision Making、共有意思決定)の3つです。今後順次その内容を説明していきたいと思います。